スカルラッティ, ドメニコ :ソナタ ト短調 K.60 L.13
Scarlatti, Domenico:Sonata g-moll K.60 L.13
執筆者 : 丸山 瑶子 (201文字)
全体的に形式的な切れ目が強く感じられないが、これはカデンツの終止音が次のゼクエンツの開始音となる(第5、15小節など)、上声の終止音の間にバスが次の小節へ繋がるアウフタクトを始める(第31、37小節など)、最上声の導音進行の拒否(第46-47、51-52小節)などといった措置によるものといえる。第41-42小節のバスにおける、音階下行を中断する広い跳躍下行はスカルラッティがしばしば用いる手法である。