スカルラッティ, ドメニコ :ソナタ 変ロ長調 K.57 L.S38
Scarlatti, Domenico:Sonata B-Dur K.57 L.S38
ピティナ・ピアノステップ
23ステップ:展開1 展開2 展開3
執筆者 : 丸山 瑶子 (320文字)
楽想の豊かな変化を特徴とする。形式上の区切りは、和声進行や前後の楽節間の音域の移動によって比較的明確である。2か所の総休止は前半と後半で挿入位置が違うが、両手共に弱拍から始まり、上声にシンコペーションを持つ楽節が続く点では共通である。フェルマータによる休止の延長も考慮すると、総休止には拍節感を一時的に弱めることも意図されていたのではないか。形式に関しては、シンメトリカルな楽段構造の拒否(ex. 第100~108小節、前後4小節の左手は同じで、右手のみに1小節の挿入)が本作品にも指摘できる。また両手の交差が持続的な16分音符の分散和音と共に現れるのには、推進力の増加と併せ、演奏時のパフォーマンスで視覚的効果を狙った可能性が考えられる。
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