スカルラッティ, ドメニコ :ソナタ K.55 L.335 ト長調
Scarlatti, Domenico:Sonata G-Dur K.55 L.335
執筆者 : 丸山 瑶子 (224文字)
全体的に規則的なゼクエンツの占める部分が多いが、作品冒頭から楽節が4(5)+7という不均衡な構造を持つ点は、安易な規則性を拒む傾向の強いスカルラッティらしい(第5小節は属和音の解決と同時に続くゼクエンツの開始音であるという二義性を持つ)。前後の形式単位が導音進行などで繋がれていくことで、音楽の淀みない流れが作り出されている。第39小節及び第113小節からは、強拍上に作品中でも最も低音域で属音と主音の交替が繰返され、前後半を閉める調が強調される。
ソナタ ト長調 K.55 L.335