スカルラッティ, ドメニコ : ソナタ ニ長調 K.21 L.363
Scarlatti, Domenico : Sonata D-Dur K.21 L.363
作品概要
ジャンル:ソナタ
総演奏時間:6分50秒
著作権:パブリック・ドメイン
ピティナ・ピアノステップ
23ステップ:展開1 展開2 展開3
楽譜情報: 0件解説 (2)
執筆者 : 丸山 瑶子
(868 文字)
更新日:2010年1月1日
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執筆者 : 丸山 瑶子 (868 文字)
ソナタ K1. - K.30について
スカルラッティの鍵盤のためのソナタのうち、概ね推定される作曲年代に基づいて番号付けされたカークパトリック番号でK. 1から30まではEssercizi per Gravicembaloとして出版され、騎士階級を下賜された返礼として、ポルトガル王ジョアン5世に献呈された。(なおこの曲集は一般的に《チェンバロのための練習曲集》と訳され、またスカルラッティの鍵盤楽器のための作品は主にチェンバロ用と推定されているが、研究の現状では、チェンバロ以外の鍵盤楽器が完全に想定外であるかははっきりしていない。)これは生前に唯一、作曲家自身が出版した曲集で、その序文は作曲家自身による真正な文書資料としての価値を持つ。
序文では、曲集が演奏技法の修練を目的としていることが示唆され、彼が音楽教師として仕えたマリア・バルバラの日々の練習用という実用的な目的で書かれたと推測できる。作曲年代に関しては、Esserciziはかなり前に書かれたソナタを推敲したものとして、多くの研究者が早期の作曲年代を主張しているが、結論は未だに出ていない。
全30曲の配列は発展的学習を可能とするもので、後の作品になるほど長く、難しくなるよう並べられている。形式は2部形式を基本とする。また作品の冒頭が両手の短い模倣となるのはスカルラッティのソナタに典型的で、多くの場合、模倣となるのは作品の残りの部分の主要素材と見たところは関連が薄いと思われる音形である。
なお序文には曲集全体の音楽的内容に触れた言葉もあるが、その解釈については、序文が謙遜や建前の入りやすい文章であることも手伝って、繰り返し議論されている。
K. 21 Allegro
フレーズや楽節は例外なく2小節、4小節と2の倍数の長さで、形式的には非常に明解である。三連符の連続になるまでの楽節は、2小節目の動機のリズムまたは下行4度を共有する。三連符に入ってからは大半の部分で両手が交差するほか、第43小節からのゼクエンツでも頻繁なポジション移動があり、素早い手の動きが求められる。
解説 : 大井 和郎
(846 文字)
更新日:2026年1月30日
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解説 : 大井 和郎 (846 文字)
不規則な区切りもありますが、基本的には4小節単位でフレーズが終わります。つまり4小節目がカデンツとなります。前半を見てみましょう。4小節目、6小節目、10小節目、14小節目、18小節目、22小節目、26小節目、30小節目、34小節目、38小節目、42小節目、53小節目、62小節目、74小節目がそれぞれカデンツ(終始形)になります。
問題は、これらのカデンツに「如何に行きつくか」というお話になります。また、似ている4小節が連続して出てきた場合、どのように変化を付けるかという課題もあります。
例えば、11〜14小節は、クレシェンドで14小節目を迎える方が良いか、音は下行しているのでディミヌエンドで迎える方が良いかという選択です。仮にクレシェンドで終わったとします。そうするとその後の、15〜18小節目は、11〜14小節ととてもよく似ています。そして、15〜18小節目もよく似ています。つまり似ている4小節が3回も出てきますが、毎回クレシェンドで終わる方が良いのか、変化を付ける方が良いのかというような課題です。
また、例えば、19〜22小節間は、主和音の第5音でソプラノが終わりますが、23〜26小節間は、主和音の第3音でソプラノが終わり、この2つを比較した場合、主和音が第3音で終わる、23〜26小節間の方が、19〜22小節間よりも、落ち着く感じを受けますので、23〜26小節間の方を、19〜22小節間よりも大人しめに弾くといったような決め方でも構いません。
また、全く同じ事が起こる、35〜38小節間と、39〜42小節間が来る場合、片方をフォルテ、片方をピアノという典型的な音量の差を付ける奏法で良いと思います。
多くの可能性が考えられるソナタです。時に、人の期待を裏切るカデンツを迎えることも面白いかも知れません。
