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ラヴィーナ :ウェーバーのオイリアンテによる大幻想曲(二重奏曲) Op.9

Ravina, Jean Henri:Grande fantaisie (duo), sur Euryanthe de Weber Op.9

作品概要

初出版社:Lemoine
楽器編成:ピアノ合奏曲 
ジャンル:幻想曲
総演奏時間:11分30秒

解説 (1)

執筆者 : 上田 泰史  (650文字)

更新日:2011年5月18日
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本作はもともと一台四手用として1840年代半ばに出版された。この曲には二台ピアノ版も存在するが、これは51年までに完成されたと考えられる。というのも、この曲はその年の音楽院受賞者演奏会で生徒たちによって演奏されているからである。1844年1月にCh.-V.アルカンと、1845年と47年にラヴィーナはこの作品をそれぞれ弟子のN. ポラック嬢、V. ドベルセーク嬢と共演している。音響効果の点では二台ピアノ版の方が連弾版よりも重厚でスケール感を出すことができる。1823年にウィーンで初演されたオペラ《オイリアンテ》は、パリにおけるウェーバー人気に乗じてしばしばいくつかの曲が抜粋して演奏された。30年代の終わりから40年代半ばにかけて、このオペラの序曲、〈狩人の合唱〉、フィナーレが《オベロン》とともに年一度はパリ音楽院演奏協会の演目に上がっている。ラヴィーナの作品では《オイリアンテ》序曲冒頭主題に始まり自由な創作部分を経て第二主題をも引用する。ラヴィーナの創作と思われる「アンダンテ・カンタービレ」の部分を経てウェーバーの第3幕より〈狩人の合唱〉が引用され、これが二度変奏される。続いて登場するのは当時ピアニスト兼作曲家たちの心をとらえた《オベロン》の〈舟歌〉である。フィナーレはラヴィーナの創作であるが、途中序曲の第2主題が再び引用される。初期のピアノ合奏用編曲経験を通して培ったシンフォニックかつピアニスティックな書法とラヴィーナ持ち前の快活なピアニズムが見事に結びついた前半期の秀作である。

執筆者: 上田 泰史 

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