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ピアソラ:リベルタンゴイ短調

Piazzolla, Astor:Libertango a-moll

作品概要

楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:★ 種々の作品 ★
総演奏時間:3分00秒

解説 (1)

執筆者 : ピティナ・ピアノ曲事典編集部 (1064文字)

更新日:2016年4月26日
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今やピアソラの代名詞となっている〈リベルタンゴ〉。世界的チェリスト、ヨーヨー・マの演奏でご存知の方も多いであろう。  何故この曲がピアソラの名を一躍世界的に有名にさせたのだろうか。彼が成し得た「タンゴの革命」とも言うべき偉業を、〈リベルタンゴ〉の秘密を紐解くことで見て行きたいと思う。  この曲が作曲されたのは1974年のこと。前年の1973年に、ピアソラは心筋梗塞で倒れている。療養の末、健康を回復するものの、ピアソラは厳しい現実に直面する。この時の状況をピアソラ自身の言葉を借りると、「とても創造的なサイクルはもう通り過ぎた後であり、50歳を過ぎた私は、また一から出直さなくてはならなかった」という。 彼が「一から出直す」場所として選んだのは、イタリアであった。  「創造的なサイクルは通り過ぎた後」と話していたピアソラではあるが、その言葉とは裏腹に、新天地での彼の創作活動は一気に花開き、〈リベルタンゴ〉をはじめとする7曲もの連作を発表する。  「リベルタ(自由)」と「タンゴ」を組み合わせたタイトルにも表われている通り、この曲にはピアソラの従来のタンゴに捉われない自由な発想がいかんなく盛り込まれている。   まずは楽器編成である。従来のタンゴの編成は、ピアノ、バンドネオン、ヴァイオリン、コントラバスだが、ピアソラはここにエレクトリックギター、ベース、ドラムというロックの編成を加える。編成のみならず、作曲技法にまでピアソラはロック、さらにはジャズの要素を取り入れて行く。 その1つは「リフ」である。「リフ」とは、ある一定のコード(和声)進行、音型が繰り返されること。冒頭を飾る、この曲の顔とも言える印象的なフレーズは、まさにこの「リフ」である。 リフに乗って、情熱的なメロディが曲を鮮やかに彩っていくが、テーマが一通り演奏されると、次にテーマの変奏が始まる。これはジャズのアドリブであり、ピアソラはジャズの音楽語法をタンゴに取り入れ、革新的なサウンドを生み出したのである。   ロックとジャズの要素を取り込み、タンゴに新風を吹き込んだこの曲は、瞬く間に広まり、この曲が収められた同名のCDは世界中でヒットを記録。特にアメリカジャズ界では空前のヒットとなり、ジャズの世界的フェスティバルの一つである「モントリオール・ジャズ・フェスティバル」に招聘されるまでになった。  〈リベルタンゴ〉は、活動拠点をアルゼンチンからイタリアへと移したピアソラが、活躍の場をヨーロッパを中心に世界へ広げ、新たな転機となった曲といえよう。

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