コッコネン 1921-1996 Kokkonen, Joonas
解説:齊藤 紀子 (673文字)
更新日:2008年11月1日
解説:齊藤 紀子 (673文字)
1.学習・師事歴
フィンランドで生まれたコッコネンは、ヘルシンキにあるシベリウス・アカデミーで和声をパルムグレンに、対位法をランタに、ピアノをハンニカイネンに師事した。その後、ヘルシンキ大学に進み、クローンに音楽学を学んだ。
2.受賞歴
1963年に《交響曲 第3番》で北欧評議会音楽賞を受賞。1961年と1973年には、ヴイフリ基金国際賞も受賞した。
3.作風・手法
シベリウスの影響を受けた他、バッハやブラームス、バルトークの音楽も好んだ。初期の作品には室内楽が多く、新古典主義の影響がみられる。《弦楽のための音楽》(1957)は、新古典主義と十二音音楽を結びつけ、コッコネンにとっての1つの転換期となっている。十二音技法を用いたのは一時期で、コッコネン自身は、バッハのインヴェンションから得たものであると述べている。その後、調性を完全に失うことのない半音階主義に転向した。
また、動機によって曲の全体を有機的に統合させる手法を好んで用いた。このことに注目すると、コッコネンはシベリウスの後進であったと語られやすい。しかし、弦楽器の書法や弦楽器に求める演奏技術の点では、むしろシベリウスと一線を画している。
4.作曲以外の活動
1949年にディプロマを取得した翌年、ピアニストとしてデビューリサイタルを開いた。1963年には、フィンランド・アカデミーに会員となった。また、シベリウス・アカデミー、フィンランド作曲家協会、フィンランド音楽著作権協会の議長も務めた。
5.指導暦
1950年代から、母校のシベリウス・アカデミーで作曲の講師を務め、後に教授に昇格した。