コダーイ 1882-1967 Kodaly, Zoltan

解説:齊藤 紀子 (762文字)
更新日:2008年8月1日
解説:齊藤 紀子 (762文字)
コダーイの業績は、作曲、マジャール(ハンガリー)民謡の研究、収集した民謡に基づく国民的な音楽教育の体系化の創案という3つの分野で顕著である。両親共に音楽の愛好家で、幼少の頃からハイドンやモーツァルトの室内楽に親しんでいた。
父が鉄道の官吏であったため、ハンガリー国内を転々としながら育ち、1892年に一家はハンガリーの古い地方文化都市、ナジュソンバトに身を落ち着かせ、ここでコダーイは正式な音楽教育を受けることとなった。奨学金を得て入学したブダペストの大学では、フランス文化とラテン人文主義を学んだ後、ブダペスト音楽院に学び、ヤーノシュ・ケスラーに作曲を師事した。
ブラームスや16世紀イタリアのポリフォニー、ドビュッシーなどのフランス印象主義の影響がみられる初期の作風は、時を経て民謡の研究の成果と融合され、独自の音楽の語法が編み出されるに至った。
総じて古典的な形式の明晰さやバランスを重視する傾向にあり、独奏ピアノのための作品には、《ドビュッシーの主題による瞑想曲》(1907)や《9つの小品 作品3》(1909-1910)、第1曲目の<巷に雨が降るように>で知られている《7つの小品 作品11》(1910-1918)が挙げられる。
ブダペスト音楽院で出会ったバルトークと共に、民謡の収集と組織的な研究に取り組み、科学的なコレクション方法とその体系化に貢献した。バルトークは、ハンガリーにとどまることなく海外にも足をのばして広範囲の民謡を収集したのに対し、コダーイはマジャールに対象を絞って言語との関係などを深く追究した。その努力は、『ハンガリー大事典』に寄稿したマジャール民謡入門等に結実している。
音楽教育への貢献は、学校教育や成人教育へのハンガリー民謡の導入にみられ、晩年は、国際音楽教育者会議(ISME)の会長も務めた。
作品(10)
ピアノ独奏曲 (5)
曲集・小品集 (5)
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