
解説:齊藤 紀子 (641文字)
更新日:2008年10月1日
解説:齊藤 紀子 (641文字)
ピアニストとしても活動したハンガリーの作曲家。現代ハンガリー音楽家協会の設立に関わっている。この協会は後に、国際現代音楽協会のハンガリー支部と統合された。カドーシャの第1回目の自主演奏会は、この支部の後援のもとに開かれた。
カドーシャの作風は、バルトークやストラヴィンスキー、ヒンデミットの影響を受けたところから出発している。その後は、「一般的なわかりやすさ」を指向していった。《交響曲 第4番 作品53》(1958-1959)は1つの転換期で、十二音技法を自由に扱い、前衛的な傾向に回帰している。
リスト音楽院でアルノルド・セーケイにピアノを、コダーイに作曲を師事した。卒業後は音楽学校でピアノの指導にあたっている。その傍ら作曲活動も続け、《ピアノ協奏曲》はアムステルダムで開かれた第11回国際現代音楽協会の音楽祭で初演された。第二次世界大戦中は、作曲活動の中断を余儀なくされたが、終戦の1945年、母校のリスト音楽院のピアノ科教授に就任するとともに、ハンガリー芸術評議会の副委員長となった。その後も、ハンガリー作曲家同盟の委員やハンガリー著作権協会会長などの役職を務め、ハンガリー自由勲章を始めとする数多くの賞を授けられた。ハンガリー人民共和国の功労芸術家並びに名誉芸術家、ロンドンのロワイヤル音楽アカデミーの名誉会員にも選出されている。
ピアニストとしてのカドーシャは、20世紀にハンガリーで生まれたピアノ作品の初演を手がけたことにある。また、バルトークの作品の解釈にも功績がある。
作品(16)
ピアノ協奏曲(管弦楽とピアノ) (1)
協奏曲 (4)
ピアノ独奏曲 (5)