平 義久 1937-2005 Taira, Yoshihisa
解説:仲辻 真帆 (570文字)
更新日:2018年4月24日
解説:仲辻 真帆 (570文字)
1937(昭和12)年6月3日、東京で生まれた。東京藝術大学音楽学部作曲科で池内友次郎、 長谷川良夫に師事。1966年に同大学を卒業後、 政府給付留学生としてフランスに渡った。パリ 音楽院で作曲を学び、1971年に卒業。A. ジョリヴェ、H. デュティユー、O. メシアンらの薫陶を受けた。1971年にリリ・ブーランジェ賞 を受賞した後、パリを活動拠点として作曲を続け、ロワイアン・フェスティバルなど国際音楽祭へ参加する機会が増加してゆく。1974年にSACEM作曲大賞を受賞、1982年にはユネスコ国際作曲家会議で最高位を得た。1983年より、エコール・ノルマル音楽院で後進の指導に あたる。2005(平成17)年3月13日、パリで逝去。
日本で平義久の名前が知られるようになったのは、1974年にNHK交響楽団の定期公演で《クロモフォニー》が演奏された後である。1992年には秋吉台国際20世紀音楽フェスティバルに招かれ、2002年に水戸芸術館の委嘱作品《室内管弦楽のための「彩雲」》が小澤征爾の指揮で初演された。平の作品は、音の余韻、音色への繊細な嗜好を本質とする。一つのものへ帰依していくという意味で宗教性を伴い、いわば祈りとして音楽を捉えていた平は、常に「音の呼吸」を聴こうとし、聴衆が共に呼吸できる音楽を作ろうと求 め続けた。
執筆者:
仲辻 真帆
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作品(2)
ピアノ独奏曲 (1)
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