セロツキ 1922-1981 Serocki, Kazimierz
解説:PWM Edition(翻訳:平岩 理恵) (817文字)
更新日:2022年9月20日
解説:PWM Edition(翻訳:平岩 理恵) (817文字)
カジミェシュ・セロツキ Kazimierz Serocki
(1922年トルン[ポーランド]~1981年ワルシャワ[ポーランド])
カジミェシュ・セロツキは、ポーランドの作曲家、ピアニスト。1922年、トルン生まれ
。ウッチの国立音楽高等学校で、カジミェシュ・シコルスキの作曲クラスとスタニスワフ・
シュピナルスキのピアノのクラスに在籍し音楽教育を受けた。また1947年から48年にかけ
て、パリでナディア・ブーランジェの作曲クラスに通っている。1952年まではピアニスト
として、ポーランドだけでなく中欧・東欧諸国で演奏活動を行った。
1952年、セロツキは舞台に立つことをやめ、作曲活動に専念するようになった。1954年
から55年にかけてポーランド作曲家協会の副会長を務め、また1956年には自らが提唱者・
主催者の一人となって音楽祭「ワルシャワの秋」の開催を実現させた。このポーランド最大
の現代音楽祭は、以降毎年ワルシャワで行われている。
カジミェシュ・セロツキは作曲家として多くのコンクールで入賞を果たした。代表的な受
賞作品には《トロンボーン協奏曲第1番》、《交響曲第1番》(文化芸術大臣賞、1955年
)、《2つの弦楽合奏団のためのシンフォニエッタ》(ユネスコ国際作曲家会議賞、1958
年)などがある。
セロツキは創作においてあらゆる現代音楽技法や楽曲様式を用いており、作品群の中には
十二音技法を用いた音楽、厳格に秩序づけられた調性的セリエル音楽、偶然性の音楽などを
見ることができる。セロツキは従来の伝統的な方法で楽器を扱うことと、非典型的な奏法、
プリペアド楽器、ソノリズムや電子音の使用とを並列に用いて作曲を行った。セロツキはま
た映画・舞台音楽の作曲家でもあった。ポーランドの優れた映画監督アレクサンデル・フォ
ルトとよく仕事を共にしており、彼の『若き日のショパン』、『鉄十字軍』、『大洪水』を
はじめとする映画作品でセロツキは音楽を提供している。