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ラモー : コンセール形式によるクラヴサン曲集

Rameau, Jean-Philippe : Pièces de clavecin en concerts

作品概要

楽曲ID: 95100
出版年:1741年
初出版社:Boivin社
楽器編成:室内楽 
ジャンル:種々の作品
著作権:パブリック・ドメイン
※特記事項:クラヴサン(チェンバロ)、ヴァイオリンもしくはフルート、ヴィオールまたは第2ヴァイオリン

解説 (1)

解説 : 伊東 茉帆 (1408 文字)

更新日:2025年11月30日
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《コンセール形式によるクラヴサン曲集 Pièces de clavecin en concerts》は、ジャン=フィリップ・ラモー Jean-Philippe Rameau(1683-1764)の唯一の室内楽作品で、クラヴサン(チェンバロ)と弦楽器や管楽器(ヴァイオリンもしくはフルート、ヴィオールまたは第2ヴァイオリン)の3パートによる合奏曲集である。この曲集は、ラモー自身の校訂のもと、1741年にフランス・パリのボアヴァンBoivin社から出版された。

ヴィオール viole(仏)とは、ヴィオラ・ダ・ガンバ viola da gamba(伊)と同じ意味で、16〜18世紀にヨーロッパで用いられた擦弦楽器である。ヴァイオリンとフルートについても、ラモーが作曲した当時に想定された楽器は、現在のバロック・ヴァイオリン、フラウト・トラヴェルソである。

この曲集は、第1番から第5番まであり、それぞれ3曲または4曲ずつで構成されている。また、それぞれの曲に人名や地名、舞曲の題名が付けられている。フランス・バロックの作品は、しばしば標題や人名を付けられることが特徴である。

さらに、ラモーは、この曲集をクラヴサンのソロでも演奏できると述べており、第1番第2曲目〈ラ・リヴリ La Livri〉、第2番第3曲目〈煩わしさ L’Agaçante〉 、第3番第2曲目〈内気 La Timide〉、第4番2曲目〈おしゃべり L’indiscrète〉 は、ラモーがソロ用に書き換えた楽譜もある。

19世紀におけるラモー作品の復活は19世紀前半から少しずつ行われていた。フランスにおいてラモーのクラヴサン作品が編纂された楽譜としては、アリスティド・ファランク Aristide Farrenc(1794-1865)とルイーズ・ファランク Louise Farrenc(1804-1875)編纂の『ピアニストたちの宝 le Trésor des Pianistes』(1861-1872)ジャン=アメデ・メロー Jean-Amédée Méreaux(1802-1874)編纂の『1637年から1790年までのクラヴサン奏者たち Les Clavecinistes de 1637 à 1790』(1864-1867)、ルイ=ジョゼフ・ディエメール Louis-Joseph Diémer(1843-1919)編纂の『フランスのクラヴサン奏者たち Les Clavecinistes français』(1887-1912)、カミーユ・サン=サーンス Camille Saint-Saëns(1835-1921)が総合監修者となり編纂した『ラモー全集 Œuvres complètes』(1895-1924)などが挙げられる。主な編纂方法として、ファランク版は、初版を現代譜に起こしたのみで、メロー版、ディエメール版は現代譜に起こした上で、ピアノで演奏する際の強弱、運指などが加筆されている。サン=サーンス版は、初版に忠実な方針を取りつつ、19世紀に最も優れていたピアノでの演奏を考慮して、現代譜に起こした上で、装飾音などに変更を加えている。これらの楽譜は、現在ではあまり使用されていない。今日では、ドイツ・カッセルのベーレンライター Bärenreiter社から『ラモー全集』が刊行されており、初版を現代譜に起こした形になっている。

執筆者: 伊東 茉帆

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