ロシェロールはさまざまな趣向のクリスマス曲集を多数書いている。30年の間にピアノソロ用に11点、連弾用に4点を発表しているほか、室内楽（ピアノトリオ）用の曲集もある。本作は、題名の通り創作性の高さを特色とする。実質的にクリスマスキャロルを素材に用いたオリジナル作品集といってよい。心浮き立つ季節の華やぎを前面に出し、現代的なテイストをふんだんに加える。随所でセンス良く原曲を崩し、しゃれたコードに入れ替え、字余り・字足らずで不意をつく。それでいて原曲の詞の世界は自然に保たれている。各キャロルの由来、宗教的背景、歌詞、メロディを知り尽くし、心底なじんでいるからこその自在な筆致が光る。付け焼き刃でアレンジしようとしても、とてもこうはいくまい。細部にまで凝った作りのため難度はやや高く、チェルニー40番程度。

第1曲 はるか彼方の飼い葉桶で Away In a Manger| Gently, 3/4, F major

第2曲 天なる神には It Came Upon the Midnight Clear | Unhurried & somewhat rubato, 3/4,

B flat major

第3曲 ジングルベル Jingle Bells | Moderately fast, evenly, 4/4, G major

第4曲 もろびとこぞりて Joy To The World| With gusto, 4/4, G major

第5曲 神の御子は今宵しも O Come, All Ye Faithful | Brisk march tempo, 4/4, C major

第6曲 きよしこの夜 Silent Night | Warmly, 3/4, D major

第7曲 天には栄え Hark the Herald Angels Sing| In classic style, 4/4, D major

第8曲 ひいらぎかざろう Deck the Halls | Lively, 4/4, C major