ロシェロールが各種のコンセプトで書いた多数のクリスマス曲集(ソロ11点、連弾4点)のうちの一冊。クリスマスキャロル・ゴスペルを連弾にアレンジしたもの。曲によっては一見頼りないほど音数が少ないが、二人で合わせて弾いたらそれで過不足なくちょうどよいとわかるのも連弾のおもしろさである。選び抜かれた音だけを使ったデリケートな連弾書法から学ぶことは多い。ピエトロ・ヨン(デロ=ジョイオのオルガンの師匠)が1917年に書いた「幼子イエス」(冬の夜の雪にさきそめたる)は20世紀生まれの比較的新しいキャロル。原曲通りに、途中で2つのキャロルが同時並行するところが聞きもの。渋めの選曲ながら、しみじみとした名曲ぞろい。レッスンや発表会にも取り入れやすい。
第1曲 The Twelve Days of Christmas (Sonatina Style) クリスマスの12日間 Con Spirito 4/4 ハ長調 Barbara and Ted Ross へ献呈
第2曲 It Came Upon the Midnight Clear 天なる神には With a lilt 3/4 変ロ長調 Nancy and Raford Hulan への献呈
第3曲 In the Bleak Midwinter 木枯らし寒く吹きすさび(ホルスト)Gently flowing 4/4 ヘ長調 Roger Lepoutre の思い出に
第4曲 Go Tell It on the Mountain 世界に告げよ(ゴスペル)With a beat 4/4 ト長調 Jane and Cecil Morgan への献呈
第5曲 Gesù Bambino (When Blossoms Flowered Mid the Snows) 幼子イエス[冬の夜の雪にさきそめたる](ピエトロ・ヨン)Serenely 12/8 ニ長調 Debbie and Joe Kirby への献呈