《ファミリー・アルバム》(1962年刊)の続編としてデロ・ジョイオが自身の子供たちのために書いた4手連弾曲である。出版譜には「1966年12月に完成、作曲者の自宅リビングルームにて初演」とある。子供たちの成長を反映して前作よりもレベルが上がり、応用段階(チェルニー30番程度)の難度となっている。内容も本格的で、厳粛なセレモニーで始まり、ロマン、ファンタジーを経てラストのコメディまでかなり幅がある。特段子供向きという感じはない。プリモが旋律、セコンドが伴奏といった単純な図式でくくれないのは連弾の名作の常である。作曲者自身が並行して管弦楽版を作った事実も、本作の構築性の高さをよく示していよう。両パートがよく連携し、全体の流れと音響を考えながらバランスよく緩急自在に音楽を作っていくとよい。
第1曲 Cortège 行列 With majesty 4分の4拍子 ハ長調
第2曲 Promenade プロムナード Moderate 4分の3拍子 ハ長調
第3曲 Day Dreams 白昼夢 Slow but flowing 8分の6拍子 ハ長調
第4曲 The Ballerina バレリーナ Smooth and moderate 4分の3拍子 ト長調(調号なし)
第5曲 The Dancing Sergeant おどる軍曹 March-like but not too fast 8分の6拍子 ト長調(調号なし)