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森山 智宏 :星のため息

Moriyama, Tomohiro:

作品概要

楽曲ID:77879
楽器編成:ピアノ合奏曲 
ジャンル:種々の作品

解説 (1)

解説 : 森山 智宏 (993文字)

更新日:2022年2月28日
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この作品は、2 年前に作曲したピアノ作品「星の夜」の姉妹作品として作曲しました。「星の夜」のモチーフが 3度上行であるのに対し、「星のため息」は 3 度の下行と上行(アルペジオ)と、それに呼応する半音下行のモチーフが組み合わせされてできています。この半音のモチーフは、「ため息のモチーフ」と呼ばれることがあり、そこからタイトルを付けました。この「半音」、そして「3 度」の音程関係が全体を貫きます。それは、メロディだけではなく内声、また伴奏音型にも言えることです。また、3 度の堆積の結果、7 や 9 の和音が基本形で多用されます。

構造は単純な三部形式 A B A' Coda でできています。 A の前半と後半では、メロディや和声進行等に違いがありますので、そこに留意して表情を付けていってください。

B の部分は A と比較し、拍子やニュアンスなどで鋭い対比となっていますが、 B の入りは不自然にならないよう、音楽の流れの中で入ってください。ここでは 3 度はメロディではなく和音で、半音はバス進行に現れますが、半音よりむしろ全音が強調されます。33 小節目からは反復進行で遠隔転調をし、ドラマティックに音楽が展開していきます。また、41小節目以降には内声に 3 度のモチーフが現れ、再現の準備をします。このようにモチーフが統一されていることを考え、感傷に流され過ぎない音楽を作ってください。

A' ではIIが 3 度のモチーフを担い、Iにオブリガードが現れます。 A との様々な違いを意識して表現してください(発想標語も、「dolce」から「piu dolce」になっています)。バスの1 拍目に音が無いところは、少し風が吹くようなイメージで書いています。

Coda では、全てが全音で構成されている「全音音階」が出てきます。この不思議な響きは、私にとって「星」を連想させるものです(52 ~ 56 小節間にも全音音階が出てきます)。また、違う調の和音を一度に鳴らす「複調」の響きで曲を閉じます。このような近現代の音楽で使われる語法にも、耳を傾けて欲しいと思います。

ペダルは響きを作る上で大切な役割ですが、決してペダルに頼り過ぎることなく、表現するための適切な踏み方を模索してください。テンポ変化の指示が細かく出てきますが、あまり大げさにならず、自然な流れを最優先に意識してください。

執筆者: 森山 智宏
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