20世紀に生まれたクリスマスのポピュラー名曲のアレンジ集である。アルバムのタイトルは収載された一曲の題名をもじったもの。弾きやすくしゃれたアレンジで耳なじみのある名曲が並ぶ。ロシェロールの数あるクリスマス曲集の中でも特に一般のニーズに応える好個のアルバムであろう。ファンク調に仕立てた「サンタが街にやってくる」は、どうしたわけか身を持ちくずしたサンタの姿が目に浮かぶようでおもしろい。ミディアムからアップテンポの「レット・イット・スノー」「サンタクロースがやってくる」「そりすべり」では、驚くほど少ない音でしっかりとしたビート感を出す手腕が見事である。「メリー・リトル・クリスマス」はしみじみとした原曲のよさをそのまま生かしたデリケートなアレンジで、ジュディ・ガーランドやフランク・シナトラの往年の歌声が耳もとによみがえってくるようだ。第二次大戦末期のミュージカル映画「若草の頃」(1944年)で主演のガーランドが歌い、疲弊したアメリカ人の皆が励まされて口ずさんだというこの名曲は、大戦以来の大きな困難に直面した今の時代に、あらためてその輝きを増しているように思われてならない。
第1曲 Santa Claus Is Comin’ to Town サンタが街にやってくる。作詞作曲フレッド・クーツ、ヘヴン・ギレスピー。Easy does it 4/4 ニ長調。
第2曲 Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow! レット・イット・スノー。作詞作曲ジュール・スタイン。Laid back 4/4 ヘ長調。
第3曲 The Little Drummer Boy リトル・ドラマー・ボーイ。作詞作曲キャサリン・デーヴィス、ヘンリー・オノラーティ、ハリー・シメオン。With dignity 2/2 ホ長調。
第4曲 All I Want for Christmas is My Two Front Teeth 前歯のない子のクリスマス。作詞作曲ドン・ガードナー。Relaxed 4/4 ト長調。
第5曲 Have Yourself a Merry Little Christmas メリー・リトル・クリスマス。作詞作曲ヒュー・マーティン、ラルフ ・ブレーン。Warm and gentle 4/4 ハ長調。
第6曲 Here Comes Santa Claus サンタクロースがやってくる。作詞作曲ジーン・オートリー、オークリー・ホールドマン。Perky 4/4 ヘ長調。
第7曲 Sleigh Ride そりすべり。作曲ルロイ・アンダーソン。Cheerfully 4/4 変ロ長調。