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グルリット, コルネリウス :子どものためのアルバム 20. 疾風と荒波 Op.140

Gurlitt, Cornelius:Album für die Jugend Sturm und Drang

作品概要

楽曲ID:72042
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:子供のための作品
総演奏時間:1分05秒
著作権:パブリック・ドメイン

解説 (1)

解説 : 熊本 陵平 (464文字)

更新日:2025年5月30日
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主調はニ短調、三部構成である。

A[a(1から8小節)+a(9から16小節)+b(17から20小節)+a(21から28小節)]

B[c(29から36小節)+移行(37から44小節)]

A[a1(45から52小節)+a1(53から60小節)+b(61から64小節)+a(65から72小節)]

コーダ(73から84小節)

冒頭、嵐のようにユニゾンで旋回して駆け上がる様は曲初めより作品タイトルの雰囲気が感じられる。8小節間の楽節で、始まりはニ短調、終わりはイ短調となっている主題である。短い上下向の楽節bを経て、再び主題が確保され、今度はニ短調で終結する。

楽節Bでは左手バスが2度進行の上下向で不気味に波打っており、つかの間の静けさを得る。ここはロマン派の作品らしくサブドミナントから開始される不完全カデンツによる楽節である。

41小節から次第に緊張が高まり、45小節で主題の再現となる。この時、主題の旋回するようなモティーフはオクターブでユニゾンによって演奏され、より強調される。コーダは楽節Bのモティーフを展開し、静けさの中で終結を迎える。

執筆者: 熊本 陵平
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