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グルリット, コルネリウス :子どものためのアルバム 13. 小さな旅人 Op.140

Gurlitt, Cornelius:Album für die Jugend Der kleine Wanderer

作品概要

楽曲ID:72035
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:子供のための作品
著作権:パブリック・ドメイン

解説 (1)

解説 : 熊本 陵平 (427文字)

更新日:2025年5月30日
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主調はト長調。この作品では1から16小節までの楽節aと17から24小節にかけてニ長調に部分転調する短い楽節bが1つの大楽節を形成しており、それが全く同一に反復して、最終的にダ・カーポによって楽節aが再現されて終結する。これをリピート記号で表現すると以下のようになる。

||: a+b :||+a

最後のダ・カーポによって再現される楽節aはコーダのようでもあるが、基本的に楽節の流れがa+b+aで構成されていることから三部形式と捉えられる。

冒頭主題では左手にd→disの2度進行が見られるが、このdis音は実質経過音であり、次小節のe音に向かっていくととらえることでd→dis→eというふうに半音階上行進行のラインを感じることができる。この動きは特徴的でやがて13小節では同様に上声にg→gis→aという半音階上行進行のラインが見られる。

楽節aでは大きな音域的な動きはないが楽節bでは8分音符を主体に下降する音階の滑らかな動きによって、より広い音域が使われる。

執筆者: 熊本 陵平
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