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枝野 奈津子 :モネの庭にて

Edano, Natsuko:By Monet's Pond

作品概要

楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:種々の作品

解説 (1)

解説 : 枝野 奈津子 (828文字)

更新日:2020年5月15日
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印象派を代表する画家クロード・モネは、1890年パリ近郊のジヴェルニーに居を構え、庭に睡蓮や柳を植え、日本風の橋を架け、作庭に没頭。1899年頃から晩年まで「睡蓮」を題材にした絵を約200枚描き続けました。私は、モネが自ら大切に作り上げた庭を、また長きに渡り描き続けた絵に止まらず、彼の心情も含めて表現したいと思い、この曲を書きました。

■曲の構成

変形的な三部形式。

[A]  [ a1:1~7小節,a2:8~14小節 ]

[B]  [ b1:15~22小節,b2:23~61小節 ]

[A’  62~72小節

■調性について

[A] :c moll→f moll→b moll

[B] :es moll→g moll→c moll(ペンタトニック)→無調  

[A’] :c moll

■演奏のポイント

この作品は、A  A’ の部分はモネの庭を、 Bの部分は泥の中に根を張りながらも美しく咲く睡蓮の花と、世間のしがらみ等の困難の中で生きるヒトとを重ね合わせて表現しており、 Aの部分(跳躍進行)と Bの部分(弱進行)とでは和声進行でも対比を持たせています。またBの部分に用いたペンタトニック(C→Es→F→G→B)の音階はブルー・ノート・スケールの響きとよく似ていますが、睡蓮の花のように憂いを帯びた美しい響きを感じる事が出来るよう演奏してください。空虚5度の響き、半音階進行に、無調の世界…それぞれの色彩感の違いを感じた細やかな表現力が求められます。モネの睡蓮の絵を観ながら、彼がどのような時代を生き、どのような日々を送っていたのかを想像して、そして演奏者ご自身の人生も重ねながら、奥深い表現をして頂ければ幸いです。

執筆者: 枝野 奈津子

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