一部形式である。
a(1から4小節)+a1(5から8小節)+コーダ(9から12小節)
調性はヘ長調。和声が実にギロックらしい色彩的な運用がなされている。属7和音から不完全カデンツとして楽節が始まり、3小節間半音階進行で下行する。3小節目の和音は異名同音ではあるが、ラ♭をソ♯と置き換えるとⅥ調におけるドッペルドミナントである。これを4小節で、Ⅰ+6(Ⅰの付加6和音、ファラドレの構成音で、これを並び替えるとⅥ7(レファラド)となる。)を和声解決する代理和音としている。ちなみに3小節は4小節における構成音の先取音と捉えることができる。
1から4小節と5から8小節は同じ和声進行であるが、終わりの8小節に主和音(Ⅰ+6)を二分音符で分散和音線ではなく和音として聴かせることで、より終止感を引き出している。コーダにおける和声の骨格は準固有和音Ⅳを主和音Ⅰによって和声解決するものである。9小節のラの音はその後のⅠ和音の構成音を先取している非和声音と捉えられる。
こうした和声的な要素が強い作品であるが、ドビュッシーの音楽のように、厳密な機能性よりも和声の動きに色彩を感じられるとより作品の魅力に近づくことができるだろう。