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グルリット, コルネリウス :20のやさしい小品集 8.ふきげん Op.155-8

Gurlitt, Cornelius:20 leichte liebliche Klavierstucke 8.Missmuth Op.155-8

作品概要

楽曲ID:49946
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:曲集・小品集
著作権:パブリック・ドメイン

解説 (1)

解説 : 熊本 陵平 (437文字)

更新日:2025年5月30日
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主調はニ短調、二部形式である。

A[a(1から8小節)+a1(9から16小節)]

B[b(17から24小節)+b1(25から32小節)]

主題は8小節で二部構成となっている。先ずは1から4小節で2小節の小刻みな2度進行で上行するモティーフが反復され、後半5から8小節では平行調のヘ長調へ転調される。1小節目などの1拍目に見られるcis、g、b音で形成される属九和音は刺繍音が和声化されたものなので、この和音をドミナントらしく緊張感を伴って表現しようとすると旋律がデコボコになる。このため、ここはあえて機能は表現せず通過するように表現したい。楽節aは反復されるが、前半では不完全終止であったところが後半ではヘ長調の完全終止となっており、より長調の明るさが強調される。

楽節Bは再びニ短調に戻る。前半は主題のモティーフである刺繍和音が含まれる山型モティーフを軸に展開され、後半では楽節aの後半と同様の下行進行となるが、平行調には転調せず主調のまま終結を迎える。この小楽節bは反復される。

執筆者: 熊本 陵平
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