グルリット, コルネリウス :こども音楽会 ポストリューディウム(後奏) Op.210-34
Gurlitt, Cornelius:Der erste Vortrag Postludium Op.210-34
解説 : 熊本 陵平 (454文字)
コーダ付き三部形式である。
a(1から16小節)+b(17から32小節)+a(33から47小節)+コーダ(48から54小節)
ポストリューディウムは後奏曲のことで、元々礼拝終了後に会衆が退場するときに演奏される音楽が起源となっている。
調性はハ長調であるが、サブドミナントⅣ和音から開始され、反復的に下行していくので、楽節の終わりまで調性が曖昧である。楽節bは対照的に全体的に上行していく。この楽節では楽節aとは対照的に左右逆となっているように見えるが、左手のアルベルティバスに対して右手は二分音符と四分音符の組み合わせで2度進行して上行する旋律線となっている。
上下行していく横の流れの中で様々に変化する和声が美しく、有名なバッハの平均律一巻の第1番のプレリュードも想起される。コーダの終結に準固有和音のⅣが使われ、穏やかに終止を迎える。
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