主調はイ短調、複合二部形式である。
A[a(1から4小節)+a1(5から8小節)+b(9から12小節)+a(13から16小節)]
B[c(17から20小節)+c1(21から24小節)+a(25から28小節)+a1(29から32小節)]
上記は4小節を小楽節と捉えているが、大きく分ければ、A[a(1から8小節)+b(9から16小節)]B[c(17から24)+a(25から32)]とも捉えられる。しかし、あくまでも4小節単位で楽曲は進行していることから4小節単位の小楽節による複合二部形式の方が実態に即していると考える。
主題冒頭は単旋律から始まり、増6和音へ向かって緊張感が高まっていく様は、ワーグナーの愛の死を想起させる。17小節から20小節の短い間は平行調ハ長調に転調し、その属調ト長調に部分転調する。楽節bと楽節cはその構造に似たところがあり、cはbが展開されたものと捉えられる。