ハ長調、8分の3拍子。二部形式である。
A[a(1から8小節)+a(9から16小節)]
B[b(17から24小節)+a(25から32小節)]
ハーモニックスピード(和音の間隔)は1小節につき1つの和音となっている。楽節aにおいてはちょうどスラーが和声カデンツの区切りとなっている。しばしばこのように和声カデンツの動きとフレーズの動きが一致することがある。
楽節aでは主音がバスで保続音となっており、左手の方では伴奏としての動きはなく和音の構成音だけである。これは中間楽節においても同様に大きな変化はなく和音の構成音が付点四分音符で置かれている。このような特徴は楽曲全体に穏やかな印象を与え、これが作品タイトルを思わせるものとなっている。
楽節bは前半17小節から4小節はト長調に部分転調しており、21小節から主調に戻る。一方で、左手バスの動きを見ると、17から24小節まで8小節間下行していく順次進行となっているので、こうした横の流れを意識して演奏したい。