グルリット, コルネリウス : こども音楽会 小さな歌 Op.210-2
Gurlitt, Cornelius : Der erste Vortrag Liedchen Op.210-2
作品概要
解説 (1)
解説 : 熊本 陵平
(628 文字)
更新日:2025年5月30日
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解説 : 熊本 陵平 (628 文字)
ハ長調、三部形式である。
A[a(1から8小節)+a1(9から16小節)]
B[b(17から20小節)+b1(21から28小節)]
28小節でダ・カーポアルフィーネとなり、A楽節へ戻る。その後、16小節で終結することから三部形式である。
主題は和声音が支配的で、主題8小節間にあって非和声音が使われるのは6から7小節目のみである。(※6小節目では刺繍音としてe音、7小節目では経過音としてd音)非和声音における経過音や刺繍音は和声音を隣り合わせであり、和声音に向かっていくいわゆる経由点の音であることから、こうした非和声音は一つ一つを表現するのではなく、和声音に囲まれた状態を一つとして表現する。このため経過音や刺繍音などの非和声音が現れる旋律では滑らかな旋律線を有することができる。
本作品においては、非和声音が少ないA楽節と比べて、B楽節では刺繍音を含む音形が反復的に展開されている。このことからB楽節はA楽節に比べ、より滑らかな性質を持つ楽節だと言える。
左手は全て和声音で構成されており、和声の機能、響きを表している。A楽節では主音が保続音となっており、主題5から6小節目では主音上の属7が確認できる。このようにA楽節では和声的な変化は乏しい。一方でB楽節では17から24小節間は2小節ごとのゼクエンツとなっており、より和声の変化が感じられる。
このようにAとB楽節では異なる性質を持つため、ただ指の練習曲と捉えるのではなく、こうした特徴を演奏表現に活かしたい。
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