二部形式である。

A[a(1から4小節)+a1(5から8小節)]

B[b(9から12小節)+コーダ（13から16小節）]

調性はト長調。主題は１から4小節で、左手は３度反復するが、右手では重音の音程が5度から増４度へと変化していく。右手は重音がオクターヴ上へ跳躍することが特徴的である。左手が主旋律で右手が伴奏である。和声解決による表現は希薄で、反復的進行によって横へ流れる性質がある。例えば、7から8小節は右手のド♯からドッペルドミナントだと分析できるが、これは次のフレーズでは和声解決されずに半音階的に反復進行していく。

 b楽節では左手は実質２声で半音階的に上行していく流れで、右手はそれとは違った別の動きをしている。つまり３声の多声的な構造が考えられる。こうした楽曲の構造は作品タイトルと合わせて、雲の刻一刻と変化していく様が連想される。