佐藤 眞 :ピアノのための即興曲 第二番
Satoh, Shin:Impromptu No. 2 for Piano
総説 : 須藤 英子 (415文字)
東京芸術大学在学中より、特に合唱作品の分野で大きな注目を集め続けてきた佐藤眞( 1938-)。代表作「大地讃頌」(1962)に見られるような豊かな音楽性と説得力に富んだ音楽語法により、長く愛好される作品を数多く生み出してきた。その卓越した作曲技術は、好みのピアノ音楽にも向けられ、協奏曲から子供のための小品まで、ピアノを用いた作品も数多い。『即興曲第2番』は、1970年というポスト・モダン萌芽時代にあって、自身の語法をより深く追及する中で生まれた作品。 1959年に作曲された『即興曲第1番』に比べ、より大胆で自由度が高い。NHK・FM「現代の音楽」にて平尾はるなにより初演された後、2004年に木村かをりにより改訂初演された。冒頭の印象的な高音の響きが、変幻自在の中間部を経て、終結部で再び鳴り響く。ピアノの最低音域と最高音域を効果的に多用した斬新で鋭い曲調の中にも、常に聴者、そして奏者を意識した温かい音楽性が感じられる。
ピアノのための即興曲 第二番
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