作品概要
解説 (1)
解説 : 安川 智子
(1065 文字)
更新日:2019年1月31日
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解説 : 安川 智子 (1065 文字)
《円舞曲 Valse》 ロ短調 作品69-2 没後出版
【作品の基本情報】
作曲年:1829 出版年:1852 (Krakow), 1853 (London), 1855 (Paris, Berlin)
献呈 : (コルベルクWilhelm Kolberg)
【楽譜所収情報】
パデレフスキ版:No. 10(フォンタナ版), No. 10bis(手稿からとられたオックスフォード版)/
エキエル版:WN19, [SeriesB]-2a, [B]-2b, [B]-App.(補遺) 2a, [B]-App. 2b/コルトー版:No. 10/
ヘンレ版:No. 10a, No. 10b/ペータース版(原典版):(No. 9a, No. 9b, No. 9c)
現存しているショパンのワルツの中ではもっとも早い時期の1829年に作曲された。ポーランド時代である1829年から1830年の間に、ショパンは5つのワルツを残しており、これらの曲はショパンの死後、姉のルドヴィカが「未出版作品リスト」に含め、その後それぞれ出版されたものである。ロ短調のワルツには複数の自筆譜の存在が推測されるが、いずれも失われている。
クラコフ、ロンドン、パリ(フォンタナ版)、ベルリン(フォンタナ版)で出版された初版譜や、残された写譜家不明の手稿譜の多様さから、ショパンが様々な形で試行錯誤していたことが分かる。曲構成はいずれも単純な三部形式であるが、初期の写譜およびポーランド初版がA-A’-B-Aの形とするならば、フォンタナ版はA-A’-B-A-A’と再現部が引き延ばされ、ショパンの特徴であるいびつな対称性が修正されてしまっている。また写譜と各初版譜で異なるのは、冒頭嬰へ音の扱いである。すなわち初版譜では、アウフタクトで一拍早く始まるこの音を、次の小節へとタイでつなげているが、初期の写譜に基づく版では、打ち直したりアウフタクトにアクセントをつけるなど多彩である。それだけ最初の一音を大切にしていたということであろう。
初期のワルツが集中的に作曲された1829年、まだ19歳のショパンはワルシャワ音楽院の歌姫コンスタンツァにはじめての恋をしていた。友人ティテュスとのウィーン旅行から戻った10月3日、「僕にとっては不幸なことかもしれないが、僕はすでに理想のひとを見つけた」とティテュスに打ち明けている。1829年から30年にかけて作曲された8つの歌曲はいずれも恋の不安と憧れを歌っており、恋の病にとらわれた青年の悩ましげな「うた」はこのロ短調のワルツにも脈づいている。
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