バッハ :パルティータ 第6番 コレンテ BWV 830

Bach, Johann Sebastian:6 Partiten Nr.6 Corrente

作品概要

楽曲ID:39186
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:組曲
総演奏時間:4分50秒
著作権:パブリック・ドメイン

ピティナ・ピアノステップ

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楽譜情報:11件
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解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (518文字)

更新日:2024年1月19日
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イタリアスタイルのコレンテは、フランススタイルのクーラントとは異なりますので、テンポは速く進みます。これは間違いありません。このコレンテは、歌的な美しさでは無く、器楽的な要素があり、技巧的な部分もありますので、それを意識するようにします。

故に最も雰囲気が変わるのはアーティキュレーションの問題で、筆者個人的な意見にはなりますが、左手の8分音符は、レガートよりはスタッカートの方が、躍動的に聞こえること と ソプラノ(右手)との区別が付くことで、ポリフォニーの秩序が守れるという利点があります。

奏者の中には、バスの役目を果たす音、例えば、5小節目1拍目のGであったり、6小節目1拍目のAであったりする音を、指で故意に残し、バスの印象を強く与える奏者もいますが、それはそれで聴き易く、理解しやすい奏法であります。

あとは、このコレンテは尺的にも長いので、どこがカデンツになるか、把握をしておく必要があります。例えば前半であれば17小節目、38小節目、そして54小節目が、カデンツの部分になります。その3つのカデンツひとつひとつを、そこで終わった感じを出し、3つのセクションとして聴かせた方が、1つの長いものを聴かされるよりも聴き易くなります。

執筆者: 大井 和郎