バッハ :フランス組曲 第4番 アルマンド BWV 815

Bach, Johann Sebastian:Französische Suiten Nr.4 Allemande

作品概要

楽曲ID:39134
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:アルマンド
総演奏時間:3分00秒
著作権:パブリック・ドメイン
ピティナ・コンペ課題曲2024:D級級

ピティナ・ピアノステップ

23ステップ:応用4 応用5 応用6 応用7 発展1 発展2 発展3 発展4

楽譜情報:20件
  • クリックして画像を開く
  • tab

解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (1126文字)

更新日:2023年4月16日
[開く]

このアルマンドの演奏のヒントと言うよりは、注意点をいくつかお伝えします。まずテンポに関しては、決して速さ、忙しさを感じさせないテンポを設定して下さい。

次にレガートの話です。右手16分音符はほぼ切れ目無く書かれており、この16分音符に対してマルカートな奏法では無く、スムーズに横に流れるレガートで弾きたいところです。休符以外の場所は必ず音が鳴っているようにします。ペダルは、そのような意味で、ラインをスムーズに横に流すため用いて良いのですが、ここで要注意です。絶対に濁りを生じさせないことを念頭に置いて下さい。特に短2度の音程には濁らないように注意します。

濁りと切れ目を避ける事が上手くいかない場合、フィンガーペダル等も用いてもかまいません。

ここからは筆者の個人的な見解になります。例えば平均律第1巻の1番のプレリュードは4/4拍子です。この1小節目を例に取ります。少なくとも2拍間は同じ和声で非和声音が入ってきませんので2拍間、ペダルを踏みっぱなしでも濁りは生じません。

このアルマンドもそのような箇所があり、例えば1小節目2拍目は、Es G B Desという和音で、ここにも非和声音はありませんので、この拍間、ペダルを踏みっぱなしにしても濁りません。しかしそうすると今度は右手のGは16分音符3つ分も伸びてしまうことになりますし、次のBも8分音符分伸びてしまうことになります。

筆者であれば、音価を守るために、不必要にペダルを踏み続けることはしません。しかし、そのような細かいことを気にしないのであれば、濁らない部分にペダルを踏み続けてもかまいません。例えば、2小節目、1拍目は、D F Asという和音で構成されていますので、右手の2音目の16分音符であるGが非和声音になります。まともにペダルを踏み続けると、このGが濁りの原因になりますので、冒頭のDを弾いたらそれを指でのばし、Gを弾いたらすぐ指を離してペダルを踏むことで、Gを避ける事(ペダルの中の響きに入れないこと)が出来ます。ご参考まで。

このアルマンドの他の注意点はポリフォニーの秩序を守ることです。6小節目から右手は2声になりますので、声部の独立をして下さい。その時に大変細かいことなのですが、要注意点があります。6小節目、内声は16分休符があります。ですからそのように弾くのですが、7小節目の2拍目をご覧下さい、こちらは休符は無く、前の拍で伸ばされたFがタイで繋がれています。

このタイで繋がれたFは、絶対に次のAsまで切れ目を入れてはいけません。なぜならそれは、6小節目の1拍目のように、16分休符が入っている音型と同じに聞こえてしまうからです。これがポリフォニーの秩序を守るということです。

執筆者: 大井 和郎
現在視聴できる動画はありません。  

楽譜続きをみる

楽譜一覧 (20)