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フレ :かっこう

Frey, Martin:Cuckoo

作品概要

楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:★ 種々の作品 ★
総演奏時間:0分20秒

解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (1052文字)

更新日:2018年3月12日
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この短い、音数の少ない曲を仕上げるのは至難の業です。最初に素材について考えてみましょう。カッコウの鳴き声を描写する音型は、1小節目や8小節目に現れる、D-H や H-G などの3度下行する2つの音の音型になります。この音型は必ず、後ろの音符にアクセントつかないように細心の注意を払ってください。手のモーションとしては、down-up という、2つめの音を弾くときに手を上に上げて音量を抜く奏法です。この曲に出てくる全ての鳴き声の素材はこのように処理します。 1-4小節間、最初のフレーズです。1-2小節間はカッコウの鳴き声のシェープを守り、右手2拍目、左手3拍目にアクセントがつかないように注意します。右手の2拍目の弱い部分がちょうど左手の強い部分になります。3-4小節目、右手は3小節目がA、4小節目がGと大雑把に考えます。そして、AからGに降りてくる下行ラインを辿ると考え、3小節目を強く、4小節目を弱く弾きます(これまでお話ししている「強く」「弱く」というのはあくまで2つの音の差の話で、実際のフォルテ、ピアノというお話ではありません)。 3-4小節目、左手は、3小節目2拍目のDから音階を辿って下行し、4小節目でもっとも低い位置にあるGに達します。故に、ディミヌエンドをかけます。D C H A G の5つの音は全部音量が微妙に異なるようにコントロールしてください。 5-8小節目、右手は2小節単位のシークエンスになります。いずれも2分音符の場所をゴールの音と考え、そこへ向かい、そこから衰退します。その秩序をまもりつつ、5-6小節間よりも、7-8小節間の音量を上げます。 左手は、Gから音量を少しずつ上げて7小節目の2分音符であるDに達し、そこから音量を下げて8小節目のGに降りてきます。 9-10小節間はこの曲で最も音量とテンションが上がる場所です。5-8小節間のシークエンスを利用して音量を上げ、9小節目に達するようにします。カッコウのリズムは変わりますが、2音間の関係は前述した通りに処理します。11-12小節間、右、左ともどちらもディミヌエンドで終わります。 この曲の最大のポイントはポリフォニーの秩序を守ることにあります。右と左は別声部と考え、それぞれの秩序を守って演奏してください。例えば、11-12小節間、両声部ともディミヌエンドと言いましたが、厳密には、左手最初の音であるAはそこまで大きくなく、次のDに向かって音量を上げる感じです。そのような、丁寧なラインの処理が不可欠です。

執筆者: 大井 和郎

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