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溝上 日出夫 1936-2002 Mizokami, Hideo

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  • 解説:仲辻 真帆 (844文字)

  • 更新日:2018年4月24日
  • 1936(昭和11)年8月15日、溝上日出夫は福岡で誕生した。 国立音楽大学作曲科在学中に、『女声合唱曲集』が出版される。1959年、同大学を卒業。1960年代には、NHKの『うたのえほん』への楽曲提供を行った他、ドラマ『柔道一直線』などテレビの音楽を手がけた。 《みずいろの花》 、《もしもしこんにちは》といった声楽曲も発表している。1979年、演奏時間1時間におよぶカンタータ《函館幻想》を完成させた。

    1989年6月には北京で、7月にはイタリアで作品展を開催するなど、国際的な活動もみられる。また、《ピアノ・ソナタ》がペルージャ現代音楽祭で演奏された他、オルガン曲の《雲 中供養菩薩「楽」 》やピアノ連弾と打楽器群による《呼応》、ピアノ連弾と弦楽合奏と打楽器群による《サイクロラーマ》は世界各地で演奏されてきた。

    溝上日出夫の活動および作品を展望すると、 ①リトミック音楽教育の指導者、②ピアノ連弾曲のレパートリーを広げた作曲家という二面が際立っている。①にかんして、E. J. ダルクロー ズによって創案されたリトミックの音楽教育法は日本の幼児教育でも重要視されてきたが、溝上はリトミック音楽研究所長や全日本リトミック音楽教育研究会の常任理事を務めた他、保育や早期教育にピアノを活用しようと努めた。② については、児玉幸子・邦夫のデュオが溝上の作品を世界各地で演奏したことも注目される。《絵のない絵本 第1組曲》(1974年、全音楽譜出版社より刊行)は、アンデルセンの童話による連弾曲で、33の原作小話のうち11に曲がつけられている。この作品は難易度がやや高かったため、より多くの人が楽しめるよう《絵のない絵本 第2組曲》が作曲された(《絵のない絵本  第2組曲》は、1996年に全音楽譜出版社より刊行された『ピアノ・デュオ・コレクション 日本の作曲家に よるオリジナル作品集1』所収)。月の光やバラの香が漂う二つの組曲は、プリモとセコンドによる対話や掛け合いが多く変化に富む。

    執筆者: 仲辻 真帆
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    About composer : 仲辻 真帆 (2419文字)

    更新日:2018年4月24日
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    作品(3)

    ピアノ独奏曲 (1)

    ベルスーズ(子守歌) (1)

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    ★ 種々の作品 ★ (1)

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