バッハ :第15番 前奏曲とフーガ 第15番 前奏曲 BWV 884 ト長調

Bach, Johann Sebastian:Prelude und Fuge Nr.15 Prelude Nr.15 G-Dur

作品概要

楽曲ID:62192
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:曲集・小品集
総演奏時間:2分10秒
著作権:パブリック・ドメイン

ピティナ・ピアノステップ

23ステップ:発展3 発展4 発展5 展開1 展開2 展開3

楽譜情報:2件

解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (570文字)

更新日:2023年9月14日
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仮にこのプレリュードを聴いたことのない人が、冒頭から聴いた場合、このプレリュードが3/4拍子と言うことを認識できるのは、9~12小節間のシークエンスを聴いた時です。それまでは、この曲は4拍子にも聞こえかねません。勿論、奏者自身は散々練習してそんなことは思いもよらない事と思いますが、弾き手の責任としては、これが最初から3拍子として、このプレリュードを初めて聴く人達に対してもそのような、拍のセンスを与えなければなりません。

西洋古典音楽の楽曲の中には、楽譜を見て、初めてその曲がこのようなからくりになっていたのかと驚く曲も多くあります。例えば、ある曲を長年聴き続け、しかし楽譜を見たことは無く、頭の中で暗譜するくらい聴いた曲でも、1拍目と信じていた箇所が楽譜を見ると実は4拍目であったりといった具合です。

奏者がどのような努力をしようとも、きちんとした楽譜を聴いている人達に再現させるのは無理な曲もありますが、例えばこのプレリュードの冒頭、1拍目の右手に軽くアクセントをを与えるだけで印象も変わってきます。2小節目1拍目、3小節目1拍目、5小節目1拍目、6小節目1拍目、8小節目1拍目と、アクセントを付けてみて下さい。以降、同じマナーに従います。

曲を聴衆に、聴きやすくすると言う作業は、演奏家に取って大変重要な課題と言うことを忘れないで下さい。

執筆者: 大井 和郎
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